story
概要
2136年の地球。突如世界に広まった怪物の毒により人類のほとんどが息絶えた世界。
生き残った人類は古代メソポタミアの伝統を引き継ぐ人々が暮らす島に集まった。
島に生息し毒を浄化できる一角獣ユニコーンを従えて、人々はついに怪物の討伐を開始する。
3.8象への信仰
目次
1.二ビルとアポフィスの戦い
2. シュメール人とメソポタミアの繁栄
4.メソポタミアの王女
5.決戦
3.8象への信仰
6.アヌンナキの王たち
バックグラウンドストーリー
1.二ビルとアポフィスの戦い
太古、宇宙では超自然生命体アヌンナキが支配する惑星ニビルと、二ビルを倒し宇宙を支配しようとする魔獣が支配する惑星アポフィスが戦争状態にあった。
二ビルは宇宙の生命をアポフィスから守るため、それに対抗する生命体を増やそうと、はるか遠くにある星、唯一生命が存在するメソポタミア時代の地球へ飛来してひそかに仲間(のちに8象と呼ばれる生命体)を送りこむ。8象は自然の力であり姿を持たないものである)
2.シュメール人の誕生とメソポタミアの繁栄
8象は超人的なDNAを人類の赤子に与え、誕生した人々はメソポタミアの地にシュメールという文明を作った。これが世界最古の都市文明とされる。
だが、この星の生命である人間とアヌンナキのDNAは存在の大きさの違いからうまく噛み合わず、8象からすれば不完全であった。また、アポフィスの存在を人間のDNAに埋め込み、その危険を知らせようとしたが失敗した。これはDNAの問題ではなく、アポフィスが宇宙に蔓延させた魔力により、他の生命体にその存在を知らせることができないようにしたためだとアヌンナキは判断した。これらの結果、人間が得たのはアヌンナキが持つ知性のごく一部だけであった。
3.8象への信仰
8象はこの星にとどまり人間の行く末を見守ることにした。やがて人々のDNAのなかで、8象への信仰が生まれる。世界は8つの自然の力で成り立っており、信仰により8象は姿を現して人々を導く無限の存在であると信じた。
そのときアヌンナキが想像もしていなかったことが起きる。人々が祈れば、8象(つまりアヌンナキ)の力が増したのである。
それまで他の生命との接触がなかったアヌンナキは人間の信仰心が起こす奇跡を信じ、いつの日かその力でアポフィス打倒が可能であると信じた。
これを察知したアポフィスの支配者は蛇の魔獣テュポーンを地球に送り込み、毒で人類を滅ぼそうとしたが、テュポーンは8象により異次元に投げ込まれ、そこで8象とテュポーンとの長き戦いがはじまった。
テュポーンは紀元前3123年にメソポタミアに小惑星を落とし、そこに住む人間ごと8象信仰を滅ぼそうとしたが8象にさえぎられ、小惑星は大気圏で爆散、その破片によりソドムとゴモラの町を滅ぼすにとどまった。
戦いは8象が優勢であったが、あと一歩のところで隙をつかれ、テュポーンは異次元より抜け出す。そして命がつきるまえ、本作の舞台となる島にある最北端の沼に毒の巣をつくり、幼体を産み落とした。
沼の周囲には8象の力すら及ばない魔術がしかれており、8象は島に身を置いてテュポーンの魔術を解こうとした。
4.メソポタミアの王女
このとき、時代は古代メソポタミア。その王女は民を思う優しき母のような存在だった。
飢えや病に苦しむ貧困者、とくに子どもたち――その者たちの食材をさがす旅に出た彼女は、船で海を渡る途中、不思議な声に導かれ、新天地となる島へたどりついた。
その声がテュポーンであることは、まだ知るはずもない。
8象を信仰している不思議な先住民らがいたその島には、求めていたような食材はなく、かれらはメソポタミアよりも貧しい生活をしていた。
そこで王女は船につんでいた粘土板を村に持ちこみ、島でとれる食材でなにが作れるかを考えてやった。そして原住民らに食物の栽培法などを教えた。言葉は最初、通じなかったが、根気づよく接し、意思疎通ができるようになった。ともに作物を作る日々を送り、長く滞在した。
島の人々の食生活は豊かになりはじめたが、王女は母国で役立つような利得がないまま母国へ戻ろうとしていた。そのとき、ある声を聞く。テュポーンの誘いである。最北端にある沼に行ってはいけないと聞かされていた彼女だが、「民を救う方法がある」という声に導かれ、沼へ足を踏み入れた。
5.決戦
王女は、母国の民を救うのと引き換えにテュポーンにある言葉を告げられる。
その言葉を口にすれば人々は助かると言うが、現れた8象は、それは魔術、呪いの言葉だと言う。まさにこのときが、8象がテュポーンの魔術結界を解こうとしていた瞬間である。
シュメール人たる王女は、8象がつくりだした、いわば8象の分身ともいえ、その彼女が呪いの言葉を発してしまったため、8象にも呪いがかかり、8象は力を奪われテュポーンは力を取り戻す。
テュポーンは力を増して8象とふたたび対決。
8象はテュポーンを封印することに成功したが自分たちも衰退し、長き眠りについた。
その際、残された力を王女に与え、彼女は不老不死となった。いつか蘇るテュポーンを倒す希望として。
沢の象である一角の翼のある馬は眠りにつく直前、最南端の森に子どもたちを産み落とした。これがユニコーンである。火の象は眠りにつく際に火山を噴火させ、島中に自身の力がこめられた賢者の石たる鉱石を飛散させ、復興の力となるようにした。だが噴火の影響で原住民の多くが死に至った。
不老不死となった王女は、島の復興に尽力したあと、起きたことが自分のせいだとだれにもいえず、過ちを背負ったまま姿を消した。王女は洞窟に身を隠し、テュポーンから世界を守るため時が来るのを待ち続けている。
遠い未来、世界が毒で包まれたのも、王女の選択が起こしたことである。だがそれは、過ちなのであろうか。その哀しみを癒せる人間は、はたしているのだろうか。
6.アヌンナキの王たち
8象が眠りについたことにより、8象(アヌンナキ)の遺伝子を持ち人々を率いていたシュメール人は人間界になにかしらの悪影響を及ぼす可能性もあったが、遺伝子レベルで無意識のうちにアヌンナキの王たちの名を人間の周囲につけてシュメール人の統率をはかった。アヌンナキの王の名は以下の4名。
・ハーン(アヌンナキの王)/モンゴル帝国のチンギスハーンに名付けられた
・ファラオ(総統)/エジプト君主の称号
・アシュケナジーム(軍の統帥)/世界に離散したユダヤ人のこと
・アユルシリダラ(民の筆頭)/元の女帝オルジェイ・クトゥクの息子。北元の大ハーン